研究課題/領域番号 |
11650930
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平井 諒子 京都大学, 化学研究科, 教務職員 (20156623)
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研究分担者 |
辻 正樹 京都大学, 化学研究科, 助教授 (60172003)
堀井 文敬 京都大学, 化学研究科, 教授 (70124758)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 酢酸菌 / セルロース / ナノ紡糸 / ビデオマイクロスコピーシステム / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 微分干渉装置 / 電子回折 |
研究概要 |
本研究では、酢酸菌により作り出されるセルロースのナノ紡糸過程の直接観察を試みた。得られた成果の概要を下記に示す。 1.微分干渉光学顕微鏡にCCDカメラを接続し、さらに画像処理装置でコントラストを増強し、ビデオテープに録画する方法すなわちビデオマイクロスコピーシステム法を用いた。酢酸菌が約50nm幅のリボン状のセルロースを紡糸していく様子をリアルタイムで観察し、その紡糸速度が決定できた。rough colonyの場合は3.4μm/minで、smooth colonyの場合は2.4μm/minであった。この違いは、生成されるセルロースゲルの高次構造の違いに反映されていると推定される。 2.酢酸菌を28℃の標準培養条件下で培養すると、菌体の長軸の方向に右巻きにねじれたリボン状のセルロース集合体が押し出されるが、smooth colonyを用いて4℃で培養すると、多数のstrand状のセルロースからなる帯状集合体が菌体の長軸に垂直な方向に押し出されること、またstrandの数の異なる「密な構造」と「粗な構造」が生成する事を明らかにした。制限視野電子回折測定を行った結果、「密な構造」の場合はセルロースIIの結晶に対応する3つの赤道反射(1-10、110、020)が観測できるが、「粗な構造」の場合は結晶性の反射は観測できなかった。 3.培養液中に紡糸されてきたセルロースの構造をそのまま保持し、乾燥によるひずみなどの影響を避けるために、never-dryのセルロースを-179℃の液体プロパン中で急速凍結して、ガラス状態の氷で包埋されたセルロースの構造を観測することを試みた。そのためにクライオトランスファーおよびクライオTEM(400kV極低温電子顕微鏡)を用いて4Kで測定した。しかし、氷の層が厚すぎたため電子線の透過性が悪く十分なコントラストがある像が得られなかった。今後、試料作製方法を詳細に検討する予定である。
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