1.側鎖にシンナモイルオキシエトキシビフェニル基とシアノビフェニル基を有するメタクリレートポリマーを合成し、その薄膜に斜め方向から非偏光紫外光を照射した。光反応は光の照射方向に垂直な面で優先的におこり、その面内の光反応基が選択的に光架橋することが、角度をかえて測定した吸収スペクトルによって明らかになった。また、その薄膜を加熱処理すると、未反応の側鎖メソゲンが光架橋面にそって配向することを見い出し、光照射-熱処理による面内配向を実現した。さらに、照射紫外光の偏光度を調節することによって、誘起される面内配向の面内異方性が制御できることを実証した。これらの結果から、光反応による薄膜の3次元屈折率制御の可能性が示唆された。 2.光反応性の高分子薄膜に、上記と同様にその薄膜に斜め方向から非偏光紫外光を照射すると、光の伝搬方向と同じ方向のメソゲンのみが選択的には光反応されない。従って、光反応しなかったメソゲン部分が光反応しなかった部分よりも液晶と大きく相互作用すれば、低分子液晶はその光の伝搬方向に平行に配向されることを、側鎖にシンナモイルオキシビフェニル基を有するメタクリレートポリマーを用いて実証した。さらに、照射時間、露光角度によってその傾き角が制御できることを明らかにした。
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