研究概要 |
本年度は,衝撃波管の改良を行い,気流の持続時間の増大を図った。購入したデータロガーにより,高精度,高周波数のサンプリングが可能となった。次に,風洞内に新たに製作したスクラムジェットエンジンインテークモデルを挿入し,衝撃波による圧縮,減速を行った。その結果,設計したスクラムジェットエンジンインテークモデルは,当初の予定通り,高度30kmでマッハ7の飛行状態の条件で,その条件におけるインテーク性能が発揮できることが確認できた。燃焼器内部では,マッハ7の主流がマッハ1.8まで減速されることが分かった。ただし,流れの可視化のために燃焼器側壁が設けていないために,圧力は予測値より低くなった。しかし,燃焼器に側壁を設けることで,次年度には燃焼試験ができる見通しがついた。 さらに,本年度は,本衝撃波管の衝撃波管部分を発射管に改良して,本装置が2段式軽ガス銃(バリスティックレンジ)に改造した。その結果,秒速2.8km,マッハ8.2の飛行体を発射することがでさた。本装置を使用することで,衝撃波によって誘起されるデトネーションによる超音速燃焼の研究が可能となり,本研究課題を特段に進めることができよう。 一方,超音速混合に関しては,触媒反応を用いた水素濃度測定プローブの開発を行った。超音速乱流混合場に本手法を適用して,その有効性を確認した。次年度は本手法によって,得られたデータを基に,燃焼器の製作を行う予定である。
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