研究課題/領域番号 |
11660005
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
村田 稔 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20166292)
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研究分担者 |
小倉 豊 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60224193)
坂本 亘 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20222002)
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キーワード | コムギ / 染色体DNAライブラリー / ダイテロソーミックス / マイクロダイセクション / DOP-PCR / 反復配列 / レトロトランスポゾン / グルテニン遺伝子 |
研究概要 |
コムギ第1同祖群染色体に由来するDNAライブラリーを構築するため、六倍性コムギ(栽培種Chinese Spring)の異数体ダイテロソーミックス-1AL、-1AS-1BL、-1BS、-1DLとモノテロダイソーミックス-1DSから染色体標本を作製し、レーザマイクロダイセクションを行った。2〜5個のテロ染色体をPCR用チューブに集め、DOP(Degenrated Oligonucleotide Primers)-PCRによってDNAを増幅した。その結果、数十塩基対から2kbほどの増幅が観察された。増幅したDNAの染色体特異性を検定するために、FISHを行ったが、はっきりとした特異性は検出できなかった。これは、増幅DNAにゲノム中に散在する反復配列が多く含まれているためであると推定された。現在、これら反復配列の同定を行っている。また、増幅したDNAの特性を調べるため、1BL、1AL染色体から増幅したDNAをクローン化し、一部について塩基配列を決定した。テロ1BLからのクローンについて、データベースによるホモロジー検索を行った結果、約37%のクローンは、コムギ、オオムギ、イネ、シロイヌナズナ等のゲノム配列と相同性を示した。このうちの1/4は、レトロトランスポゾン様配列であった。ESTや特定遺伝子のコーディング領域とホモロジーを示したのは全体の約37.5%であり、類似性が認められなかった配列も25%あった。相同性を示した遺伝子には、高分子グルテニン遺伝子など第1同祖群染色体にすでにマップされているものもあったが、他の染色体上にマップされている澱粉合成酵素遺伝子なども含まれていた。他の染色体腕由来のクローンについても同様に解析している。
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