研究課題/領域番号 |
11660021
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
半田 高 筑波大学, 農林学系, 講師 (00192708)
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研究分担者 |
倉重 祐二 赤城自然園, 植物研究室, 主任研究員
遊川 知久 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 研究官 (50280524)
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キーワード | ツツジ属 / 分子系統 / 遠縁交雑 / matK |
研究概要 |
ツツジ属植物の正確な系統進化や類縁関係を知るために、ツツジ属内の種およびその近縁種について新葉を採取し全DNAを抽出した。この全DNAを鋳型に用いてPCRダイレクトシークエンシング法により塩基配列を決定し分子系統解析をおこなった。解析に用いた領域は予備実験の結果に基づき、葉緑体DNA上のtrnKならびにmatK遺伝子とそのイントロン領域の約800bpである。解析の結果、ツツジ属内の種間関係において、従来の形態分類で設定されている亜属や節とは異なる位置に配置された種が存在することがわかり、これらの種に関しては分類群の見直しが必要であることがわかった。分類群の変更により、今後ツツジ育種において新たな交配組み合わせの可能性が明らかとなった。また、現在用いているDNA領域以外にも分子系統解析に使える領域がないか葉緑体DNAならびに核DNAの各種遺伝子間領域について検討している。 次に、ツツジ属における新品種群開発を目指した交配実験をおこなった。trnKおよびmatK遺伝子ならびにイントロン領域の分子系統解析によりツツジ属内に含まれるべきであると判断されたヨウラクツツジ属を数種のツツジ属植物に交配した結果、交配可能な組み合わせが存在することが確認できた。現在、得られた種子の発芽試験をおこない発芽を確認できたものについては、順次培養順化して実生個体を得るようにしている。
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