研究概要 |
ウメ果実を1,7および15℃に10日間,ジャガイモを1,7および20℃に11週間,サツマイモを1,13および20℃に7週間それぞれ暗所下で貯蔵し,貯蔵中の過酸化水素含量の変化および抗酸化酵素の活性変化について調べた. 1.貯蔵中の外観変化 貯蔵中低温障害と見られるピッティングの発生がウメ果実では7℃区に,サツマイモでは1℃区に認められ,その発生率は経時的に増加した,しかし,ジャガイモでは貯蔵中低温障害の発生は認められなかった. 2.貯蔵中の過酸化水素含量の変化 ウメ果実では15℃区で貯蔵中変化はなく,一定レベルを維持したが,1℃区で貯蔵1日に貯蔵当初の約半分に減少して,貯蔵中そのレベルを維持した.一方,7℃区で貯蔵4日に一時急増し,その後1℃区と同一レベルまて減少して,そのレベルを維持した,ジャガイモではいずれの貯蔵温度とも貯蔵当初のレベルを維持した.サツマイモでは13℃および20℃区で貯蔵中当初のレベルを維持したのに対して,1℃区で貯蔵1週に貯蔵当初の約2倍に増加して,そのレベルを貯蔵中維持した. 3.貯蔵中のスーパーオキシドジスムターゼの活性変化 ウメ果実では7℃区で貯蔵1日に時急増して,その後当初レベルに減少して,そのレベルを維持したが,1℃および15℃区で貯蔵中当初のレベルを維持した.ジャガイモではいずれの貯蔵温度とも貯蔵当初のレベルを維持した.サツマイモでは1℃区で貯蔵!週に増加し,貯蔵5週以降緩やかに減少したのに対して,20℃区で当初のレベルを維持し,13℃区で貯蔵5週まで当初のレベルを維持した後,貯蔵7週に増加した. 4.貯蔵中のアスコルビン酸ペルオキシダーゼの活性変化 ジャガイモおよびサツマイモともいずれの貯蔵温度とも当初のレベルを維持した. 5.貯蔵中のカタラーゼの活性変化 ジャガイモではいずれの貯蔵温度とも当初のレベルを維持した.サツマイモではいずれの貯蔵温度とも徐々に増加したが,13℃区でその増加程度は大きかった.
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