研究概要 |
【実験1】Solanum toxicarium(台木)とトマト(穂木、青枯病に罹病性)との接ぎ木植物及びS.toxicariumに青枯病細菌を断根接種し,青枯病細菌の茎内における移動及びその病原性について調査した。 【結果】接種後20日において接ぎ木植物及びS.toxicariumに萎れはなく,発病は認められなかった。青枯病細菌は地際部から1〜3cmの部位までしか移動できず,茎内での菌の移動抑制が確認された。茎内から再分離された青枯病細菌には病原性はなかった。 【実験2】トマト(台木、青枯病に罹病性)とS.toxicarium(穂木)の接ぎ木植物及びS.toxicariumの茎に青枯病細菌を刺針接種し、茎内で菌の移動及びその病原性について調査した。 【結果1】S.toxicariumの茎に接種した青枯病細菌は茎内を移行したが、その距離は小さかった。そこから再分離された青枯病細菌は病原性を有していた。 【結果2】トマト台S.toxicarium(穂木)の穂木に接種した場合、12株中1株は枯死した。しかしその他の株では台木(トマト)への菌の移動はなく、枯死しなかった。S.toxicarium(穂木)から再分離された青枯病細菌は病原性を有していた。結果1・2から、S.toxicariumの穂木が持つ青枯病細菌の抑制作用にはS.toxicariumの根は関与していないと推察された。 【実験3】Solanum toxicariumの種子へのイオンビーム照射による、刺無し個体の育種を進めている。 【実験4】Solanum toxicarium台トマトの養液栽培による肥培管理・温度管理技術の構築について実験中である。
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