初年度に当たり、カブリダニ相の調査は距離的に遠い北海道と九州(鹿児島)で実施した。研究代表者、研究分担者及び協力者で採集調査を行い、持ち帰った寄主植物からカブリダニを採取し同定に供した。これらの種は、それぞれの気候帯における生息実態が確認された事により、今後の天敵利用における可能性が示唆された。 1.北海道調査(1999年8月2-5日) 今までに調査研究が実施されてない道東地区(調査地は、足寄/佐呂間/知床/標茶/根室/弟子屈)のカブリダニ相を調査した。主として農耕地沿いの雑草詳から次のようなカブリダニ[雌成虫数]を採集した。 足寄町:ケナガ[23]、ミチノク[1]、佐呂間町:フツウ[18]、ケブト[1] 標茶町:ミチノク[5] 根室市:ラデマッヘル[4]、ミチノク[3] 弟子屈町:ミチノク[2]、ケナガ[1]、ラデマッヘル[1] 2.鹿児島調査(1999年8月19-21日) 鹿児島県では、栽培チャと路傍の雑草に採集を絞り、次のような採集結果を得た。 鹿児島市:キタ?[4]、ケブト[3]、ウルマ[1]、オキナワ[1] 指宿市:ケブト「4」、ウルマ[2] 知覧町:ケナガ[15]、枕崎市:オキナワ[18]、ニセラーゴ[2]、ケナガ[1]、キタ?[1] 東市来町:オキナワ[1] 3.今後は採集範囲を拡大して、より広範な分布資料を整えるとともに、これらの室内飼育等も試みたい。
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