胞子形成過程というのは、諸過程を経て進むため形態の変化は多様にある。また、その過程には多くの遺伝子が関わっていることが知られている。これらの遺伝子の機能を知るために、形態変化の微細構造を知る目的で電子顕微鏡観察し、特に形態が複雑に変化する過程の三次元構築を行った。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)と分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)を急速凍結置換固定し、樹脂に包埋後、連続切片を作製し、電子顕微鏡観察した。写真撮影後、コンピューターにより、三次元構築を行った。 出芽酵母の核融合に関するいろいろな変異株を使用して、核融合の初期が核膜の外膜から始まることを示した。分裂酵母は核融合前の間期、核融合直前、第一減数分裂前のDNA合成期の細胞では、細胞質微小管が細胞内に多数存在しており、核の周りから細胞の先端まで微小管が伸びたダイナッミックな動きを示したが、核の中には微小管は観察されなかった。 一方、出芽酵母は核融合時はSPBから細胞質側の微小管と核内に微小管束が観察された。 両酵母共、第二減数分裂でSPBの形態は変化し、分裂酵母は第一減数分裂後は核が2個に分かれ、第二減数分裂に入り、4個の核に分かれ、4個の胞子となった。
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