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2000 年度 実績報告書

BHC分解菌由来新規脱塩化水素酵素の反応機構及び細胞内局在化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11660075
研究機関東北大学

研究代表者

永田 裕二  東北大学, 遺伝生態研究センター, 助教授 (30237531)

キーワードBHC / 環境汚染物質 / Sphingomonas / 脱塩化水素酵素 / デハロゲナーゼ / 細胞内局在性 / ペリプラズム
研究概要

γ-hexachlorocyclohexane(HCH)分解菌UT26由来のγ-HCH dehydrochlorinase(LinA)は,γ-HCHをγ-pentachlorocyclohexene(PCCH),1,3,4,6-tetrachloro-1,4-cyclohexadiene(TCDN)を経て,1,2,4-trichlorobenzene(TCB)にまで変換する活性を有する。LinAは,一次配列上の相同性を示す酵素が存在せず,その反応機構・起源については全く不明であったが,立体構造予測・部位指定変異導入実験から,脱水酵素から脱塩化水素酵素に進化したものである可能性が強く示唆された(前年度に報告)。今年度は,LinAの反応機構の解明を目的とし,LinAの代謝産物の立体化学的解析を行った。
LinAによって生じるγ-PCCHのプロトンNMRスペクトルは,アルカリ条件下での化学的な1,2-biaxial HCl pairの脱塩化水素反応によって生じるγ-PCCHのそれと同一であった。しかし,CDスペクトル解析を行ったところ,LinAによって生じるγ-PCCHは,一方の鏡像異性体しか含んでいないことが明らかになった。さらに,化学合成したγ-PCCHのラセミ体をLinAと反応させたところ,1,2,4-TCBに加えて,1,2,3-TCBが生じた。これは,LinAの作用によって生じるtetrachlorodieneの種類の違いによるものとえられた。以上の結果から,LinAは立体構造依存的に1,2-biaxial HCl pairの脱塩化水素反応を触媒すると結論した。LinAによる基質の立体構造認識は,LinAの立体構造モデルからも説明可能である。
以上,LinAの反応機構に関する重要な知見を得ることに成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Glatz,Z. et al: "Determination of haloalkane dehalogenase activity by capillary zone electrophoresis."Journal of Chromatography A. 895. 219-225 (2000)

  • [文献書誌] Marek,J. et al: "Crystal structure of the haloalkane dehalogenase from Sphingomonas paucimobilis UT26."Biochemistry. 39. 14082-14086 (2000)

  • [文献書誌] Trantirek,L. et al: "Reaction mechanism and stereochemistry of γ-hexachlorocyclohexane dehydrochlorinase LinA."J.Biol.Chem.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Marvanova,S. et al: "Biochemical characterization of broad-specificity enzymes using multivariate experimental design and a colorimetric microplate assay : characterization of the haloalkane dehalogenase mutants."J.Microbiol.Methods. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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