研究課題/領域番号 |
11660080
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
長澤 透 岐阜大学, 工学部, 教授 (60115904)
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研究分担者 |
満倉 浩一 岐阜大学, 工学部, 助手 (70324283)
吉田 豊和 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90220657)
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キーワード | ニトリルヒドラターゼ / 溶媒耐性 / 耐熱性酵素 / 工業用生体触媒 / 光学特異的ニトリルヒドラターゼ |
研究概要 |
地球環境問題の深刻化と共に、酸やアルカリ廃液を生じず重金属触媒を用いないニトリルヒドラターゼを用いたバイオプロセスは環境適応型と評価され、本酵素の応用の範囲はさらに広まりつつある。既にRhodococcus rhodochrous J1株のニトリルヒドラターゼがアクリルアミド、ニコチンアミドの工業生産用生体触媒として用いられているが、さらに熱安定性、溶媒耐性などより多彩な特性を持ったニトリルヒドラターゼが求められる状況である。ファインケミカルズのキラル基本骨格の合成に光学特異的ニトリルヒドラターゼの利用が要求される場合も多くなってきた。即ち、ニトリルヒドラターゼ応用の新しい展開期を迎えている。本検討では、工業用R.rhodochrous J1株のニトリルヒドラターゼとは異なった特徴をもったニトリルヒドラターゼ生成菌を広く自然界から分離収集し、種々の目的にあったニトリルヒドラターゼ生成菌のコレクションの作成を試みた。工業用触媒としてニトリルヒドラターゼに要求される特性として、光学特異性、耐熱性、溶媒耐性、高濃度生産物耐性、高濃度基質耐性、基質に対する高い親和性(low Km)、有機溶媒耐性、酸耐性、アルカリ耐性、シアン耐性等をある。このような特徴を持ったニトリルヒドラターゼを取得するために、新しい分離方法を試みた。我々はこれまで検討してこなかった45℃での集積培養を続ける行うことにより、全く報告されなかったAmycolatopsis属菌やActinomadura属菌が強いニトリルヒドラターゼ活性を示すことを見出した。また現時点では、活性は低いが熱安定性、高濃度基質および生成物耐性、有機溶媒耐性等の特徴のあるニトリルヒドラターゼ生成菌を収集した。
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