研究概要 |
1.側鎖長の長い新規pamamycin誘導体の生産条件の検討と単離構造決定 Streptomyces sp.HKI-0118による側鎖長の長い新規pamamycin誘導体の生産条件を検討した結果、oat meal extract培地では2メチレン長い側鎖を持つ同族体の生産量が最も多く、pamamycinはその約70%、1メチレン長い同族体は2割程度生産されることが明らかになった。また、ODS-HPLCではpamamycin同族体が分子量毎に分画でき、次にNH_2カラムを2本直列にして用いることにより、同一分子量のアルキル置換基の配置と側鎖長の異なる異性体を分離できることを見いだした。その結果、pamamycin-607より1または2メチレン側鎖の長い化合物homopamamycin-621とbishomopamamycin-635を単離構造決定することに成功した。 2.N,N-Didemethylpamamycinの探索 昨年度の実験の結果、pamamycinのジメチルアミノ基のメチル基がメチオニン由来であることを明らかにし、アミノ基を有する化合物がpamamycinとde-N-methylpamamycinの生合成前駆体と推定された。そこで、メチル化阻害剤の添加による前駆体N,N-didemethylpamamycinの探索を行った。その結果、DL-ethionineの添加培養物中に、目的物質が微量ではあるが蓄積することを確認した。
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