研究概要 |
最近、様々な野菜の二次代謝成分が抗発癌プロモーター作用によるガン予防や糖尿病予防・治療作用だけでなく、老化を促進すると言われる活性酸素・過酸化物を消去する作用など様々な生理機能を示すことが明らかにされ、野菜の栄養学的生理学的機能・役割が見直されようとしている。本研究では、ホウレンソウ、ゴボウ、エンサイ、ブロッコリーについて抗発癌プロモーター活性と抗酸化活性を指標にして機能性成分を解明し、それらの機能性成分の品種間含量変動を検討してきた。 13年度には、ジュート、ミョーガおよびブロッコリーについて、高速液体クロマトグラフィ用電気化学検出器とカロテン退色法を指標として、抗酸化活性成分を検索した。ジュート(シナノキ科、和名モロヘイヤ)の葉からはスコポレチン(クマリン系化合物,7-hydroxy-6-methoxychromen-2-one)を、ミョーガ(ショーガ科)の可食部からはシリンガ酸(4-hydroxy-3,5-dimethoxybenzoic acid)とそのメチルエステルを、ブロッコリー(アブラナ科)の花蕾からはフェルラ酸メチルエステル(4-hydroxy-3-methylcinnamic acid methylester)とシナピン酸メチルエステル(4-hydroxy-3,5-dimethoxycinnamic acid methylester)を単離同定した。これらの成果は、野菜が様々な疾病の原因になるといわれる過酸化物や活性酸素を消去することが期待できる抗酸化活性を含むことを示している。
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