研究課題/領域番号 |
11660127
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
寺尾 純二 徳島大学, 医学部, 教授 (60093275)
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研究分担者 |
板東 紀子 徳島大学, 医学部, 教務員 (40116851)
室田 佳恵子 徳島大学, 医学部, 助手 (40294681)
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キーワード | フィチン酸 / キレート作用 / 抗酸化活性 / 大腸がん / 酸化ストレス / フィターゼ / 大腸粘膜 / 脂肪酸組成 |
研究概要 |
フィチン酸(phytic acid:inositol hexaphosphate)は穀類豆類に広く分布し、日常摂取する一般的な食品成分であるが、その強力な金属イオンキレート力には潜在的な生理機能性が存在するはずである。本研究はその抗酸化活性に着目し、消化管の酸化ストレスに対する抑制機能を明らかにすることを目的とした。本年度はラット大腸粘膜の鉄イオン性脂質過酸化反応に対する抗酸化活性をex vivo系で評価することを試みた。フィチン酸投与群と無投与群(対照群)から18時間後に大腸粘膜を採取し、鉄イオン誘導脂質過酸化反応を行ったところ、TBARS量,ヘキサナール量4-ヒドロキシノネナール量においてフィチン酸群が無投与群よりも低値を示した。これは経口摂取したフィチン酸が大腸粘膜において鉄イオン誘導酸化ストレスを抑制することを示唆するものである。さらに大腸粘膜は胃粘膜や小腸粘膜に比べて、鉄イオン誘導酸化ストレスを受けやすいことが明らかとなった。しかしラジカル発生剤による酸化では相異は見られなかった。また大腸粘膜のビタミンE量は胃粘膜より低値であった。一方全SH含量は同程度であった。以上のことは日常摂取するフィチン酸は実際に消化管での酸化ストレス防御に働くことを示すものである。
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