研究課題/領域番号 |
11660131
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
木村 修一 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (70005586)
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研究分担者 |
井上 修二 共立女子大学, 家政学部, 教授 (40110697)
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キーワード | カプサイシン / 褐色脂肪組織 / 熱産生ならびに熱放散 / エネルギー・バランス / 食事誘導性熱産生 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP) / 神経伝達物質 |
研究概要 |
すでに我々の研究で、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンが食欲を増すにもかかわらず、脂肪組織重量を減少させることがわかっている。また、カプサイシンは動物に熱産生と熱放散を起こさせることを明らかにしてきた。カプサイシンは副腎からのアドレナリン分泌を増加させることがわかっており、これが上に述べたような現象を一部説明するものと考えられる。しかし、このメカニズムには、ホルモンだけではなく、自律神経系の関与が考えられることから、本研究では、熱産生と熱放散のメカニズムをさらに詳細に検討した。その結果、この両者はそれぞれ異なるメカニズムで作用していることが明らかになった。また、この熱産生に褐色脂肪組織が一部関与していることが明らかになった。一般に、熱産生と熱放散は天秤のように一方が上がれば他方は下がるという関係になっている。生体のエネルギー消費のうち約10パーセントを占める食事誘導熱産生は、肥満者で低下していることからもエネルギー・バランスに重要な役割を果たしていることになる。そこで、エネルギー・バランス調節に重要な中枢でのメカニズムを知る一貫として、食事誘導性熱産生の神経機構にかかわる神経伝達物質についても検討を進めることにした。特にその求心性神経経路で働いている可能性のあると考えられるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の熱産生に及ぼす効果について検討した結果、このペプチドが関連している可能性を示す成績を得ることができた。
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