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2000 年度 実績報告書

カプサイシンによる熱産生並びに熱放散に関する栄養・神経生理的な研究

研究課題

研究課題/領域番号 11660131
研究機関昭和女子大学

研究代表者

木村 修一  昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (70005586)

研究分担者 井上 修二  共立女子大学, 家政学部, 教授 (40110697)
キーワードカプサイシン / 熱産生 / 熱放散 / 体温調節系 / 除脳 / 脊髄離断 / 酸素消費 / 視床下部
研究概要

我々はこれまでカプサイシンは熱産生と熱放散とが同時に高まることを見いだした(Am.J.Physiol.)。熱産生は体温を上昇させ、熱放散は体温を低下させようとする反応であるので、カプサイシンの作用は体温調節の観点からすると矛盾した反応を引き起こすと言える。体温は脳によって制御されており、また、カプサイシンの作用部位は主として感覚神経であることが知られている。従って、カプサイシンの体温調節系に対する作用には、脳が関わっていると考えられる。そこで、本研究では、カプサイシンの体温調節系に対する作用には、脳のどの部位が重要かという点を明らかにするため視床下部と中脳の間を切断する除脳および脊髄と脳を離断する実験を行った。
その結果、除脳ラットはカプサイシン投与前も投与後の変化も酸素消費量は対照群と差がなかったが、皮膚温は対照群と異なり全く変化しなかった。結腸温は投与後徐々に上昇し、実験終了時には1.2℃高くなった。脊髄ラットでは酸素消費量の増加反応も皮膚温変化も対象群に比べて大きく減少し、結腸温は全く変化しなかった。
以上、カプサイシンによる熱放散反応は除脳によって消失した。除脳した全脳部には体温調節中枢を含む視床下部があるので、この部位が熱放散に重要であることが示唆された。熱産生反応である酸素消費量の増大は除脳によって影響されず脊髄離断で大きく減弱したことから、この間の領域である脳幹部枢要な役割を果たしていると考えられる。末梢組織や脊髄レベルにカプサイシンが直接作用するような機構は、熱放散・熱産生の両方において、大きな役割は果たしていないことが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Osaka T,Lee TH,Kobayashi A,Inoue S,Kimura S: "Thermogenisis mediated by a capsaicin-sensitive area in the ventrolateral medulla"Neuroreport.. 3;11. 2425-8 (2000)

  • [文献書誌] Osaka T,Kobayashi A,Lee TH,Namba Y,Inoue S,Kimura S: "Lack of integratibve control of heat production and heat loss after capsaicin administration."Plfugers Arch.. Jul;440. 440-5 (2000)

  • [文献書誌] Lee TH,Lee JW,Oasaka T,Kobayashi A,Inoue S,Kimura S: "Lack of integrative control of body temperature ofter capsaicin administration."Korean J Intern Med.. Jul;15. 103-8 (2000)

  • [文献書誌] 木村修一: "岩井和夫,渡辺達夫 編「トウガラシ」辛味の科学カプサイシンの減塩効果並びにダイエット"幸書房. 167-180 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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