研究課題/領域番号 |
11660133
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
有賀 豊彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50096757)
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研究分担者 |
熊谷 日登美 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20225220)
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (20187834)
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キーワード | ニンニク / タマネギ / 褐色脂肪組織 / UCP / 高脂肪食 / アドレナリン / アリルスルフィド / 白血病細胞 |
研究概要 |
1)ニンニクが産生する含硫化合物の給餌による生体機能変化と静脈注射による生体機能変化の比較 ラットに対して、ニンニク粉末(全diallylsulfides5.05mg/g粉末)を0.8%含ませた高脂肪食(ショートニング30%またはラード30%)を1ヶ月間給餌したところ、腎臓周囲脂肪組織、皮下脂肪,血漿トリグリセリドおよび血漿遊離脂肪が、ニンニク無添加食に比して有意に減少した。また、これらとは逆に、褐色脂肪組織(IBAT)重量とその中のミトコンドリアタンパク量は有意に増加した。これらの結果から、ニンニク食ラットのIBAT機能の亢進による脂肪の異化の促進が考えられたので、IBAT中のアンカップリングタンパク(UCP)を定量してみた。その結果、ショートニング食にニンニクを添加した食餌群で、ニンニク無添加群の1.5倍、ラード食にニンニクを添加した群で2倍のUCP量が測定された。ニンニク添加食は、またラット尿中ヘのアドレナリンおよびノルアドレナリン排泄量を顕著に増大させた。このようなニンニクの作用が、ニンニク中のどの成分によって現れるのか、あるいは類似化合物でもみられるのかなどに関して、数種類のsulfidesを用意して、ノル/アドレナリンの血漿濃度を指標に検討したところ、butyl-、amyl-、ethyl-disulfidesでは、対象と変わらず変化が見られなかったが、methyl-、allyl-disulfidesに効果がみられた。また、allyl sulfidesの効果は、mono-<di-<tri-sulfideの順に硫黄原子が多くなるほど強くなることが認められた。 2)ニンニク・タマネギ油性成分が急性前骨髄球性白血病細胞HL-60を顆粒球へ分化させる ニンニクとタマネギの油性成分はallyl sulfidesを主成分としている。これらをHL-60培養液に20μg/ml添加し、培養すると、増殖が抑制される。培養液へのアルカリフォスファターゼ漏出はみられないので、細胞毒性はないものと考えられる。培養24時間後より、顆粒球に特徴的なBTB還元能および細胞表面マーカーCD11bの発現量が増大してきた。これらの作用は、diallyl disulfideによって、より強く現れた。顆粒球はアポトーシスを示さず、巨大化した。
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