1、北限域でのタブノキの個体群動態 調査地である山形県遊佐町女鹿にあるタブノキ林では、2000年は4年ぶりのタブノキ結実の豊作年になった。そこで、昨年タブノキ林内と林縁部に3か所ずつ1m^2の調査区を設定して、種子の散布から発芽までの過程を追跡しはじめた。 今年はその調査を引き続いて行った。昨年の冬までに発芽した種子は、林内ではほとんどなく、林縁部でも約5%と低かった。そのため、今年は春から大量の種子が発芽した。林縁では97〜392本/m^2、林内では185〜266本/m^2の実生が発芽した。これまでの結果とは異なり、林縁も含めて、ほとんどの実生が翌年の春以降に発芽した。 2、タブノキの発芽時期の地理的変異に関する播種実験 山形大学農学部附属演習林の実験苗畑において各地の個体群から採取してきた種子を播種して、その後の発芽と実生の成長を追跡中である。 当初は北限産のタブノキの方が南方産のタブノキよりも成長がよく、顕著な違いが認められたが、年を追うごとにその差が小さくなった。 3、まとめ これまでの研究成果をまとめ、報告書を作成した。
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