研究課題/領域番号 |
11660143
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 精晤 信州大学, 農学部, 教授 (50021085)
|
研究分担者 |
土田 勝義 信州大学, 農学部, 教授 (70089093)
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
佐々木 邦博 信州大学, 農学部, 教授 (10178642)
大窪 久美子 信州大学, 農学部, 助教授 (90250167)
馬場 多久男 信州大学, 農学部, 助教授 (60021086)
川崎 圭造 信州大学, 農学部, 助教授 (20021090)
|
キーワード | 環境林 / 環境基本計画 / 地方都市 / 地域計画 / 公園緑地 / 植生遷移 / 農林地 / 自然環境 |
研究概要 |
地方都市の環境基本計画の策定において農林地の環境的価値が住民に再認識されてくる。研究代表者は伊那市の計画作業の専門委員として3年間、活動するとともに、地区の地域振興にも参加して活動し、住民の自然環境の保全のための農林地の持続と環境育成の熱意が高いことが明らかとなった。放棄された林地を地域環境を形成する環境林として計画する方法に関して、森林基本台帳のデータをGIS(地理情報システム)で処理し、住民の要請する多様な環境条件の総合化を予備的に検討している。 環境林として保全が必要とされている河岸段丘斜面樹林、残存する平地林、山麓の林地の森林調査を進め、その実態を明らかにして、社会的、生態学な保全方法を探求している。地方都市の公園緑地制度における環境林の取り込みは断続的で極めて部分的であり、環境林の育成方法も確立していない実態をとらえている。長期的な地域計画、環境基本計画の継続のもとで、地域全体をカバーする自然環境保全型の緑地計画と環境林の育成が不可欠といえる。農林地として維持された二次的自然環境は、農林業の持続で成立しているが、農林業の衰退した部分では、放置により自然の遷移が進行し、衰退する生物が見られる一方で、増殖しようとする生物もみられる。草原、森林の植生は近年の30年間は激変の時代であり、広範な実態把握と種の保全に関する注意深い調査を必要としている。別の研究課題とも関連して棚田の畦畔法面の植生保全の調査研究を行ってきたが、農業放棄と農業継続の条件の圃場整備の両面から植生の貧困化が進行している。森林については人工林の放置は植生の豊富化をもたらし、林業的手入れは植生の衰退となる。環境のための植生管理の方法の探究は難しい問題であるが大きな課題であり、次年度に向けて研究進行の準備を進めている。
|