研究課題/領域番号 |
11660145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 一清 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40262430)
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研究分担者 |
梅村 武夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 名誉教授 (10023417)
竹中 千里 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40240808)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 林分成長予測 / 環境因子 / 地理情報システム(GTS) / 林内地形 / 大気汚染 / オキシダント / 樹木枯損 / 樹冠構造 |
研究概要 |
これまで、様々な林分成長予測システムが開発されてきたが、それらの多くは環境因子の影響を考慮していない。しかし、近年では大気汚染などの環境変化が林木の成長及び生存に重大な影響をもたらすことが懸念されており、それらの因子が林木成長にどのような影響をもたらすのか、またどの程度の影響があるのかについては明らかにされていない。 本研究では、林分成長に影響を及ぼすと考えられる因子と林分成長との関係を検討し、環境変化が林木の成長及び生存に与える影響を明らかにするとともに、その結果に基づいた環境因子を含む林分成長予測システムの開発を目的とした。内容は大きく3課題に分けられる。一つは、ベースとなる林分成長の予測モデルの開発に関する研究である。これは、林分平均としてではなく、個々の樹木個体に主眼をおき、その成長経過を長期的に予測すること、さらに近年日本の国家政策として推進が期待される長伐期施業に不可欠な高齢林分への適用を前提として、三重県尾鷲市にある明永試験林の高齢ヒノキ林分の測定データを基礎とし、公開されている様々な地域の測定データから林分成長予測システムの開発を行い、その有効性について検証を行った。また、林分成長に関わる林内因子として、樹冠内の葉面積分布、林冠ギャップ、林内微地形について、その測定法及び林分成長との関係を明らかにした。さらに、近年問題となっている、大気汚染などの環境変化が林木の成長及び生存への影響について、地理情報システム(GIS)及びリモートセンシング技術を用い、愛知県三河地域で1994年から1995年にかけて発生した樹木枯損を例として評価を行い、1994年、1995年三河地方の樹木枯損の背景には、慢性的なオキシダントストレスによる樹木の衰退の可能性があることを示唆した。
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