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2000 年度 実績報告書

砂防ダムからの土砂流出とそれが河川環境に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 11660147
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 正治  京都大学, 農学研究科, 助教授 (60181369)

研究分担者 澤田 豊明  京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027258)
水山 高久  京都大学, 農学研究科, 教授 (00229717)
キーワード排砂 / 河川環境 / 砂防ダム / 水生生物 / 濁水 / 河床変動 / 土砂流出調節 / 生態系
研究概要

流砂が少なくなっている河道に土砂を一挙に供給すると,濁水の通過や土砂堆積によって魚類や水生昆虫の生息条件が悪化する.本研究では,連続した砂防ダムの上下流の河床変動を検討して,砂防ダムの存在が下流の河道に与える影響を明らかにした.また,砂防ダムからの人為的排砂が渓流環境に与えるインパクトとその評価方法について現地実験を通して検討した.得られた知見を整理して以下に示す.
1.連続した砂防ダム群の上下流の河床変動
(1)砂防ダム群の土砂調節効果は単独砂防ダムの効果の足し合わせでは計れない.
(2)透過型ダムでは洪水低減時に多量の土砂が流出するので,ダム下流の生息生物へのインパクトは大きくなるかもしれない.
2.砂防ダムからの人為的排砂の伝播過程
(1)排出土砂のうち掃流砂の伝播過程を解析する計算プログラムを開発した.流量や排砂量の異なる実験に対してこれを適用し,掃流砂がプールに堆積し,アーマーコートを埋没しながら流下する過程が精度よく再現できることがわかった.
3.土砂流出が渓流環境に与える影響
(1)排砂がイワナに与える影響評価指標として,濁度,溶存酸素濃度,プールの土砂貯留容量,石礫間の空間スケール,河床土砂堆積厚さ,水際線の形状などが挙げられた.
(2)掃流砂の移動過程の計算手法により,プール部の土砂貯留容量や河床における土砂堆積厚さの時間変化が計算され,排砂の影響度や回復度を見積もることができた.
(3)濁水のイワナに与える影響レベルとストレスインデックスの関係を実験的に明らかにするとともに,影響の少ない排砂条件について明らかにした.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 藤田正治: "砂防ダムからの排出土砂の移動とそれが渓流環境に与える影響"水工学論文集. 第44巻. 1215-1221 (2000)

  • [文献書誌] Fujita,M: "A diffusion model of suspended sediment in mountain streams"Proceedings of 12th Congress of APD-IAHR. 255-264 (2000)

  • [文献書誌] 藤田正治: "砂防ダム群の土砂流出調節効果"水工学論文集. 第45巻. 697-703 (2001)

  • [文献書誌] 水山高久: "砂防ダム・スリット砂防ダムの効果評価"平成11年度砂防学会研究発表会概要集. 180-181 (1999)

  • [文献書誌] 吉清守: "砂防ダムからの排砂が魚類に与える影響の評価法"平成12年度砂防学会研究発表会概要集. 374-375 (2000)

  • [文献書誌] 木下篤彦: "砂防ダムからの排砂が渓流河床の非一様性に与える影響"平成12年度砂防学会研究発表会概要集. 376-377 (2000)

  • [文献書誌] (社)砂防学会: "山地河川における河床変動の数値計算法"山海堂. 143 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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