平成12年度は以下の調査を行った。 1.海岸砂地におけるマツクイムシ被害林分の植生調査 昨年度の補足調査として、主に下層植生の調査を行った。土クロマツ林には常緑広葉樹、砂クロマツ林では落葉広葉樹の稚樹が多く出現する傾向が認められた。 2.海岸砂地クロマツ林への広葉樹の導入調査 平成11年度における予備実験の結果として、マツ枯れ被害林でのギャップ地において、植栽されたスダジイとタブノキの枯死が多く、その原因は主に土壌の乾燥に在ることが考えられた。本年度は鳥取大学乾燥地研究センター内のマツ枯れ被害林分内のギャップ地と林内において、スダジイとタブノキの2年生苗木を植栽した。苗木の一年間の生存率はギャップ地でスダジイが0%、タブノキが11%であり、林内ではスダジイが24%、タブノキが74%であり、昨年の予備実験同様ギャップ地での生存率の低さが顕著であった。またタブノキに比ベスダジイの生存率の低さも顕著に顕れた。また、ギャップ地での生存率向上を目的とし、ギャップ地での再生紙マルチを用いた植栽実験も行ったが、植栽したタブノキとスダジイはすべて枯死し、再生紙マルチの効果は認められなかった。同時に植栽したクロマツ苗木については27%の生存率がみられた。 3.樹木苗木の埋砂耐性に関する調査 平成13年3月より調査を開始した。現在調査を継続中である。
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