研究課題/領域番号 |
11660151
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80172732)
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研究分担者 |
末田 達彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90109314)
林 和男 愛媛大学, 農学部, 教授 (80111839)
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キーワード | マングローブ / 根圏 / 炭素蓄積 / インドネシア / タイ / 沖縄 / 炭素循環 / 地球温暖化 |
研究概要 |
本研究計画ではこれまで得られたマングローブ林根圏生態系の現存量、未分解植物遺体、有機炭素を炭素の蓄積として評価し直し、マングローブ林生態系の地球環境にはたす重要性を再評価することを目的ととしている。平成11年度にはまず沖縄(2地域2林分)、タイ(3地域14林分)、インドネシア(5地域44林分)のマングローブ林調査区より土壌深ごとに採取した、根、植物遺体、土壌について試料の調整をおこなった。そのうちインドネシアのソソボック、ギリマヌク、バトゥ・アンパル、チラチャップ、バタン・トゥムの各地域の30林分から採取した、深さ1mまでの土壌サンプルについて、C/Nアナライザーにより炭素含有量を測定した。各林分とも土壌中に重量比で5-10%の炭素を含んでいた。炭素含有量は地上部の現存量および潮汐の頻度と相関があり、現存量が大きいほどまた帯水期間が長いほど多量の炭素を含む傾向が認められた。深さ方向にはほとんど変化がなく、深さ1mまではほぼ一定の炭素含有量であった。これらの値から、深さ1mまでの土壌中の炭素蓄積量を粗く推定すると750-1500ton/haとなり、巨大量の炭素蓄積があることが明らかになった。またこの地域の根の現存量は200ton/haであること、それとほぼ同等の植物遺体が土壌中にあること、1m以上の深さにも相当量の炭素蓄積があることなどをあわせると、ヘクタールあたり2000ton近い炭素がマングローブ林根圏生態系に蓄積されているものと考えられた。現在は、他の林分の土壌についての炭素分析、植物遺体の分解過程と炭素含有量分析、マングローブ林の炭素蓄積の地球環境に対する評価などについて進行中である。
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