研究概要 |
本年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1.アシル基転移酵素の調製 前年度に引き続いて、粗酵素液の精製を実施した。精製レベルは不十分であったので、再度検討を加えることにした。 2.アクテオシド部分構造、4-O-caffeoyl-D-glucopyranosideの合成 この化合物は、アシル基転移酵素が関与して生成するカフェー酸糖エステルのモデル物質の一つとして仮定する物質で、次の結果を得た。 ・合成中間体、allyl 2,3,6-tri-O-allyloxycarbonyl-α-D-glucopyranosideの4位水酸基に、DCC/DMAP/DMAP-HCl系の活性化剤を用いて3,4-di-O-allylcaffeic acidを収率78%で導入した。 ・糖水酸基の保護基として導入したAOC基(アリルオキシカルボニル基)は、[PPh_3]_4Pd/HCOOH/NEt_3の触媒を用いて収率83%で脱保護した。 ・アノマー水酸基とフェノール性水酸基のアリル保護基は、PdCl_2触媒、あるいはイリジウム錯体触媒で脱保護することを検討した。
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