研究課題/領域番号 |
11660161
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鮫島 正浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30162530)
|
研究分担者 |
西野 武士 日本医科大学, 医学部, 教授 (40094312)
五十嵐 圭日子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員
|
キーワード | セルロース / セロビオース脱水素酵素 / 生分解 / フラビン / ヘム / 酸化還元酵素 / Phanerochaete chrysosporium / Humicola insolens |
研究概要 |
セルロース分解糸状菌Phanerochaete chrysosporiumおよびHumicola insolensが生産する反応のpH依存性の異なる2つのセロビオース脱水素酵素をカラムクロマトグラフィーを用いて多量に精製した。得られた酵素をパパイン処理して切断分離されたフラビンドメインとヘムドメインを同様に精製した。インタクトのセロビオース脱水素酵素ならびに2つのドメインに対して活性中心として存在するフラビンならびにヘムの酸化還元電位の測定、スットプドフロースペクトロメトリー法による酵素分子内における電子ならびにプロトン伝達機構の反応速度の測定を行ない、セロビオース脱水素酵素活性中心における酵素分子内での電子ならびにプロトン伝達機構について解析を行った。その結果、両セロビオース脱水素酵素の酸化還元反応のpH依存性の差はフラビンの機能ならびにフラビンからヘムへの電子伝達機能の差異にもとづくことを明らかにした。一方、ヘムの機能については両者で大きな差は認められなかった。さらに、H.insolens由来のセロビオース脱水素酵素のフラビンは大部分が6-OH-FADの誘導体の形で存在することが明らかにした。なお、フラビンの誘導化と酵素機能の関わりについてはさらに研究中である。 また、P.chrysosporiumのセロビオース脱水素酵素遺伝子をcDNAとしてクローニングし、大腸菌中で発現させることを試みた。ウエスタンブロッティングによってセロビオース脱水素酵素のポリクローナル抗体に対して陽性なタンパクが検出できたが、これにはフラビンやヘムなどの補欠分子族は含まれておらず、リフォルディングによっても補欠分子族を導入することはできなかった。
|