非ホルムアルデヒド系接着剤として新たに開発されたPEG系接着剤に着目し、単板積層ボード(LVB)を製造して、木質材料への利用適性を検討した。不織布への含浸後、単板間に挿入する方法が可能であることが明らかになったため、この製造方法でので最適条件を検討した。 接着剤塗布量は100g/m^2でほぼ最大の強度を示した。このことより、これ以上の接着剤の量は必要としないと判断した。また、熱圧温度200℃で最大の強度を示した。これは、熱板温度が高いほど内部の接着が迅速に行われるためであると考えられる。また、圧縮時間の影響は10minで最大値を示した。単板含水率は機械的性質に大きく影響した。せん断弾性定数は含水率、0〜10%の間では含水率の上昇に伴い増大した。しかし、その他の評価項目では、含水率の上昇に伴い強度低下が認められた。単板の厚さを変化させて試験では、評価した項目により異なる傾向が見られた。ヒノキとスギを比較すると、ヒノキの方が高い強度を示すことが明らかとなった。また、スキは吸水処理による強度低下がヒノキよりも顕著であった。 以上の結果より、PEG系接着剤は非ホルムアルデヒド系接着剤として木質材料の製造に利用する可能性が確認された。さらに、堆積時間を変化させてストランドボードを製造し堆積時間の増加に伴う強度低下を検討した結果、十分なオーブンアッセンブリタイムが可能であることが明らかになった。このことより、プリプレスしたマットを用いた成形加工への利用の可能性が示唆された。
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