研究課題/領域番号 |
11660173
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
足立 伸次 北海道大学, 水産学部, 助教授 (40231930)
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研究分担者 |
山羽 悦郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (60191376)
山内 皓平 北海道大学, 水産学部, 教授 (10109514)
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キーワード | 性決定 / 性分化 / 環境要因 / 飼育水温 / pH / キンギョ / マツカワ / 魚類 |
研究概要 |
1)温度感受期の特定 これまでに、遺伝的全雌のキンギョについて、性分化以前の仔魚期の高水温処理が雄化を誘導することが確認できている。本実験では、仔魚期の様々な時期に適水温(23℃)から高水温(30℃)への昇温、あるいは、その逆の降温処理を行なった。その結果23℃では27日、30℃では22日以前が温度感受期であることを特定した。 2)様々な飼育水温での性分化過程 トウゴロウイワシ科の魚で、異なる水温下では性分化の開始時期も異なるという報告がある。そこで本実験では、遺伝的全雌のキンギョを用い、15、19、23及び30℃での性分化過程を組織学的に観察した。その結果、30℃ではほとんどが雄になったため卵巣の観察ができなかったが、23℃以下の水温では明らかに低温ほど卵巣形成が遅れた。 3)性決定に及ぼす飼育水温以外の環境要因 シクリッド科の魚類において、飼育水のpHが性決定に影響を及ぼすという報告がある。そこで、遺伝的全雌のキンギョを用いて、飼育水のpH、密度及び日照等の条件を変えた場合での性比を調べた。その結果、低pH(5.5)で有意に雄の割合が増加した。しかし、飼育密度及び日照については、今回行なった条件では影響はみられなかった。また、マツカワについてもpHの影響を調べた結果、キンギョとは逆に高pHで雄の割合が増加した。 4)全雄群の作製 遺伝的全雄群を作出するため、エストロゲン処理により遺伝的雄の雌を作出した。
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