研究課題/領域番号 |
11660173
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (40231930)
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研究分担者 |
山羽 悦郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (60191376)
山内 晧平 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10109514)
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キーワード | 性決定 / 性分化 / 環境要因 / 飼育水温 / pH / キンギョ / マツカワ / 魚類 |
研究概要 |
1)温度感受期の特定 これまでに、遺伝的全雌のキンギョについて、性決定に影響を及ぼす温度の感受期を特定した。本年度は、感受期内で短時間の温度変化が与える影響について調べた。その結果、温度感受期内の1日のみ適温から高温へ移行した場合は遺伝的雌の雄化は誘導されなかった。しかし、その逆に、温度感受期内の1日のみ高温から適温へ移行した場合は、高温による雄化が見られなかった。すなわち、高温による雄化は温度感受期をカバーして高温に保つ必要があり、わずか1日でも適温にすると、雌化誘導因子が発現し、遺伝的雌は雌となるものと推察された。しかし、その機構は不明である。 2)性決定に及ぼす飼育水温以外の環境要因 シクリッド科の魚種において、飼育水のpHが性決定に影響を及ぼすという報告がある。本年度は、キンギョの遺伝的に雌雄1:1の群および遺伝的全雌群を用いて、コルチゾル投与の影響を調べた。その結果、コルチゾルは遺伝的雌の雄化を促すことが示唆された。すなわち、昨年度報告した高水温による雄化は、高水温がストレスとして働き、血中コルチゾルを上昇させることで遺伝的雌の雄化を誘導していると推察された。しかし、その機構は不明である。 3)全雄群の作製 遺伝的全雄群を作出するため、エストロゲン処理により遺伝的雄の雌を作出し、通常の雄と交配した。しかし、超雄(YY)の存在は確認できていない。
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