研究概要 |
宮城県女川町沿岸の永久トランセクト(100【m!^2】)でウニの分布を水深と底質ならびに海藻植生との関係で季節的に把握し,季節的な移動様式を明らかにした。バフンウニは,周年小型海藻が生育する水深0〜0.3mの緩傾斜域において各月7.8〜20.8個体/【m!^2】と極めて高い密度で分布し,直径50cm以上の岩石下に集中的に生息した。10月から11月にはそれ以深の無節サンゴモ群落に生息したバフンウニが緩傾斜域へ移動し,以後残留し,主要な生活場所とした。これらの季節的な移動は成熟年齢に達した個体の季節的に活発になる摂食活動を反映した索餌によるものと考えられた。キタムラサキウニは深所の無節サンゴモ群落で周年高い密度で分布し,夏季から秋季に浅所の小型海藻群落へ移動し,冬季には再び深所へ移動した。食性や摂食量と生殖周期などの生活年周期を明確にするとともに,着底場所を明らかにして種別の棲み場に適応した機構の解析を進めている。
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