研究課題/領域番号 |
11660185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
尾城 隆 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (10201401)
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研究分担者 |
竹山 春子 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60262234)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | Lymnaea stagnalis / 雌雄同体腹足類 / 産卵ホルモン(CDCH) / 卵白腺(albumen gland) / 卵成熟制御因子 / 浸透圧(osmotic pressure) / ヘモリンパ(haemolymph) / エクジソン(ecdysone) |
研究概要 |
1.産卵ホルモン(CDCH)の筋収縮作用の検討:精製CDCHを用いたin vivo投与では、排卵誘発効果を確認できなかったが、CDCHを多量に含む脳交連(COM)のリンゲル液抽出物は、in vitroで両性生殖腺(一部)から放卵を誘起した。さらに、両性生殖輸管後端部の生体外収縮・弛緩を電気生理学的手法で記録し、その筋収縮効果を直接証明できた。 2.卵母細胞の減数分裂抑制因子のin vitroでの解析:排卵された卵細胞は、体内受精後輸卵管に入る直前まで不定形で胚胞を有するが、摘出して生殖腔液よりやや低張なリンゲル液、ヘモリンパ液、および蒸留水中に移すと、直ちに吸水して球形となり、続けて正常な成熟分裂と発生とを行った。しかし、実際のGVBDは産卵直前まで、極体放出と卵割は産卵直後まで抑制された。この抑制は、卵細胞を包むカプセル構造(囲卵腔液+卵膜)によることが判明した。産卵直後の卵をカプセルごと0〜1000mMのマンニトール液に浸すと、極体放出・発生は体液より高張の140mM以上で起こらず、低張液でのみ起こった。また種々の溶液への浸漬実験では、卵膜は卵白など高分子物質を通さず、低分子物質のみを速やかに通した。すなわち、体内では種々の電解質や低分子物質による浸透圧差は生じず、囲卵腔液はコロイド物質で周囲の体液より高張となる。実際、輸卵管内で卵膜は常に膨張状態を保ち、囲卵腔液は体液より高張で、その結果極体放出・発生は体内では抑えられるが、淡水中に放卵されカプセル内の浸透圧が低下すると誘発されると考えられる。 3.卵白腺に対するエクジソンの分泌促進効果の検討:産卵中の親貝をβ-エクジソン溶掖に浸漬すると、産出卵のカプセル容積全体が増加する傾向を示すことから、エクジソンが卵白分泌を促進するものと推定された。 4.エクジソンレセプクー遺伝子のクローニング:卵白腺を含む生殖器官系からmRNAを抽出し、RT-PCR法で増幅したcDNAをクローニングし、そのシークエンスを解析した。その結果、Drosophilaにおけるエクジソン応答タンパク質(E74B)、および接着タンパク質(Lgp-1)などに相同性の高い配列を得たが、エクジソンレセプクー遺伝子そのものは得られなかった。 5.ヘモリンパ中のエクジステロイドの変動(HPLC-EIA法):CDCH放出推定時刻より、ヘモリンパ中のβ-エクジソン濃度は急激に増加し、卵の梱包(packaging)初期、すなわち卵白腺の分泌期に最大となり、以後急激に減少した。α-エクジソン濃度は遅れて増加し、卵莢膜腺分泌期から産卵直前にかけて最大となった。β-エクジソンは卵白による卵の梱包を促すことを介してそのGVBD・発生を抑制し、α-エクジソンは産卵直前のGVBDを直接・間接的に誘起する可能性が示唆された。
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