免疫賦活剤であるペプチドグルカンを投与したヒラメの腎臓からcDNAライブラリーを作製し、発現した遺伝子の198クローンについて解析をおこなった。その結果、Gene Bankで登録されている遺伝子と相同性が確認されたのは、92クローンであった。その他のクローン(106クローン)は、新規の遺伝子と考えられた。生体防御に関与する遺伝子として、免疫グロブリンのL鎖とH鎖、リゾチーム、β2ミクログロブリン、チモシン、MHCクラス11αおよびCCケモカインをクローニングすることが出来た。 さらに、今回クローニングされたCCケモカインの遺伝子を、サイトメガロウイルスのプロモーターに接続し、そのプラスミドDNAを、ヒラメの筋肉に注射して、その発現と免疫活性について検討した。その結果、ヒラメの筋肉に注射したCCケモカインの遺伝子は、ELISA法でその発現が認められた。さらに、CCケモカインの遺伝子を注射されたヒラメは、食細胞の活性酸素産生能、貪食能および遊走能の増加が確認された。従って、今回クローニングされたCCケモカインは、哺乳類のケモカインと同じような機能を持っていることが確認された。
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