研究概要 |
1)光環境に関する実験 国内のニジマス養殖地の光条件(日長、日中と目の出・日没の薄明時照度)が設定できる環境実験室で、1週間を模擬1ヶ"月"とし、合計12週間で模擬年周となる環境をつくり、ニジマス小個体群の自発摂餌と外的要因に関する研究を行った。その結果、自発摂餌は"月"ごとに特徴的な摂餌パターンを示した。7月を中心とした6〜9"月"期間中の1日の中に占める日の出薄明時の摂餌活動比率は高かった。薄明時期間は30分間であったが,1日の総摂餌量の10〜20%の摂餌が行われた。一方,11〜1"月"は日の出薄明時の摂餌活動は低かった。日没時の薄暮時については,1日の中に占める摂餌活動比率は季節による変化はほとんどなく,通年ほぼ同程度であった。6〜9"月"では薄明時の照度が5ルックス以下でも活発に摂餌を開始したが,10〜12"月"では20〜80ルックスで摂餌開始がみられたことから,照度が同じであっても摂餌活動は季節によって異なると考えられる。 2)水温環境に関する実験 24時間周期で変動する水温とニジマスの自発摂餌の同調に関する実験を行った。24時間で水温が高低(15℃一13℃)となる水温周期、恒温(13℃)および明暗周期と恒明の実験条件を組み合わせたところ、ニジマスは個体でも群でも自発摂餌は水温周期に同調することがわかった。しかし,同調の強さは光に対するように強くなかった。さらに、使用した水温帯域では摂餌活動が低温側にシフトする傾向のあることがわかった。
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