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1999 年度 実績報告書

世界食料需給問題の洞察的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11660218
研究機関京都大学

研究代表者

辻井 博  京都大学, 農学研究科, 教授 (60027589)

キーワード食糧不足問題 / 食料需給予測 / 途上諸国の人口 / 経済成長 / 自然資源 / 森林破壊 / 伝統・近代・新農業技術 / 食料政策・制度
研究概要

戦後農業技術の進歩と耕地の拡大は世界の農業生産の成長に貢献してきた。しかし80年代から人口爆発、経済成長と食量需要構造の変化、耕地・水など自然資源の制約、環境破壊(土壌劣化、温暖化、森林破壊など)、農業政策やその他経済・政治的・社会的要因は、地球上の南と北に膨大な飢餓人口とかなりの食糧過剰摂取人口の並存の問題を持続させてきた。この食料需給の将来に関しては主体によって意見をことにしている。(1)研究代表者を含む大部分の日本の農業経済学者や L。ブラウン博士は世界の食糧不足問題は将来さらに悪化すると考える。しかし、(2)アメリカ農務省、世界銀行,MOIRAやIFPRI(国際食糧政策研究所)は21世紀初期に世界穀物需給はかなり緩むと予測している。(3)FAO(農業食糧機構)や日本農水省はこれらの中間的立場をとる。(2)と(3)の予測はすべて計量経済学的予測であり、この機械的予測が食料需給予測に硬直性をもたらしている。本研究は世界の食糧需給の単なる数値的予測ではなく、研究代表者による食糧需給の諸要因に関する内外の諸研究の経済学的評価と文献的研究や日本内外での聴取調査やフィールド・サーヴェイを通じた洞察を知的に統合しようとする作業である。単純な数値予測も整合性チェックのために行うが、基本的には洞察と知的統合を方法とする。研究代表者は他のしかし本研究と関係の強い研究プロジェクトで多くの海外調査を実施しており、そこでの洞察や観察、聴取を援用する。本研究は3年間の研究期間の最後に英文の書物を出版する計画である。
研究目的構造は、第1に2020年まで爆発がピークを維持する途上諸国の人口の食糧需要に及ぼす影響を検討することである。
第2に途上諸国の早い経済成長、そして最近の金融危機が食糧需要の構造変化を通じて食糧需要にいかなる影響を及ぼすかを検討する。
第3に高所得諸国での人口と食糧消費行動が同諸国での食糧需要に与える影響を検討する。
第4に水・農地・森林など自然資源の利用可能性を検討する。
第5に土壌劣化、温暖化、森林破壊が食糧供給に及ぼす影響を検討する。
第6の目的は伝統・近代・新農業技術の食糧供給への影響を検討する。
第7に、各国の食糧政策・制度と国際食糧貿易政策・制度が世界食糧需給に与える影響を検討する。
第8に、以上の諸要因の世界食糧需給への影響の検討を知的に洞察的に統合し、21世紀の世界食糧を予測する。
平成11年度は第1から第4の研究目的を追求し、人口爆発、経済成長、金融危機、食料消費行動変化、自然資源の枯渇化が世界の食料需給に大きな影響を与えることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 辻井 博: "WTO農業貿易体制と平成農政改革のあるべき姿"農業と経済. 66巻2号. 31-41 (1999)

  • [文献書誌] 辻井 博: "日本・韓国・台湾3国の米・穀物政策発展における5段階と農業政策への合意"生物資源経済研究. 4. 43-67 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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