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1999 年度 実績報告書

黄河断流のメカニズムの解明と水市場導入による緩和の経済厚生の改善に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11660224
研究機関香川大学

研究代表者

亀山 宏  香川大学, 農学部, 助教授 (70177608)

研究分担者 JAMES. E Nickum  法政大学, 経済学部, 教授
キーワード黄河断流 / 水市場 / Water pricing / CGE / 空間モデル / PMP / 水資源 / 灌漑
研究概要

1999年夏の現地調査及びその後の関係者からの調査を通じて、以下の3点が明らかになった。
(1)水料金制度に向けての潜在的な法制改革
中国政府は水資源の強い制約を認め、過去数十年に渡り、包括的な資源についての法整備、水資源管理の改善をめざした詳細な政策、民営化をキーに新たに省がイニシアティブをもつしくみづくりを進めてきた。行政的には建設部や水利部が率先して進めることが期待されるが、コストよりもはるかに安価な水価を高めることには反発が強いため、社会的な安定性を最優先にする政府の政策により、先の目標の実現は依然として難しい。地方政府が水料金制度の改革に高い優先順位をおくかどうかは、地方社会の複雑性、制度的、財政的なしくみのいかんによってはかかっている。
(2)世界銀行長期投資計画モデル
本モデルは非線型最適化モデルで、様々な物理的、水文学的、農学的な制約のもとで、黄河からの灌漑水の利用による付加価値の最大化を目標関数としている。地域は10に分割され、既存の貯水池からの発電、生活用水、工業用水の供給を考慮している。灌漑可能農地を拡大したときに、様々な潜在的需要に供給が応えていけるかをシミュレートできる。水料金を変動させながら水資源の地域間・産業間の配分を検討することができる。ただ、経済的なモデルよりは工学的な性格が強い。
(3)CVPAモデル
本モデルは、多地域において灌漑農業生産と経済に関するモデルである。その特徴として、農業生産者の意思決定をシミュレーションできる。PMP(規範的数理計画)として知られる最適化技術により、農産物の収穫面積を線形の限界費用関数で諸係数をカリブレートする。水散布の費用と灌漑技術のトレードオフを示す等生産量曲線により、非線形の代替の弾力性を最適化に用いる。これに、更に土地や水の利用可能性についての法的、物理的、経済制約などの制約を追加して現実を再現している。
最終の2000年度は、河北地域での農家経済調査をもとにしたデータ-ベースの構築をめざしている。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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