研究課題/領域番号 |
11660224
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
亀山 宏 香川大学, 農学部, 助教授 (70177608)
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研究分担者 |
NICKUM James E. 法政大学, 経済学部, 教授
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キーワード | 黄河断流 / 水市場 / water pricing / CGE / 一般均衡分析 / 経済発展 / 農家経済調査 / PMP |
研究概要 |
平成12年度、夏のコンフェランスへの参加と冬の現地調査を通して、以下の3点が明らかになった。 現在、海岸部と内陸部の経済発展の格差は様々な問題を引き起こしており、今後、西部開発計画がますます重要性を帯びてきている。それに伴い、流域の上流部では、節水農業技術の研究・開発・普及により、農業用水の取水3割削減を目標としているが、工業用水・都市用水需要の増加が予測されている。こうした地域ごとの産業構造の変化を捉え、広域的な地域資源の開発・利用の計画と評価の枠組みを必要としている。 (1)世界銀行・産業連関分析 1993年のモデルは多段階最適計画法で、流域内のブロック毎に割り当てられた取水可能量のもとで収益最大化を可能にするモデルであり、カリフォルニア州の水資源配分モデルで使われているPMP(規範的数理計画)モデルの手法を導入して、より現実再現性を高めることができることがわかった。改訂版は、対象地域の産業連関表に水資源を含むモデルを提供している。 (2)一般均衡経済モデルによる中国の食糧輸入の影響 開放経済化、経済地域の統合などの影響を検討するするGTAPモデル(Purdue大学)を用いて、中国の工業化に伴う食糧輸入増加がAPEC、北米、欧州諸国への経済構造の変化に伴う経済厚生の変化を定量的に検討した。 (3)中国の省別投入産出表 中国国内の地域別産業構造の変化を捉えて、1997年投入産出分析表をもとに、地域間産業連関表のてがかりを掴むべく、1995年時点での黄河流域の関連する省の産業連関表を収集した。省によっては、すでに産業ごとの水資源の利用に関わる原単位のデーターが用いられている。 (4)農家経済調査のための調査票の様式 カウンターパートの中国農業政策研究センターCCAPが実施した山東省での地下水利用の社会経済的な条件を探る農家調査をもとに、カリフォルニア大学がカリフォルニア、チリ実施した水市場、水銀行(水の利用に関わる権利の売買の市場)の調査をベースにして、河北地域において水市場の導入によって、農業用水の節水を促す方策を探るための農家経済調査の調査票を作成した。
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