平成11年度はリース農場について、北海道別海町で実態調査、大分県杵築市および滋賀県でのヒヤリングを行った。別海町N農協管内では24戸の新規就農者があったがこのうち2戸が家庭不和で、そのほか事故および経営不振によってそれぞれ1戸が離農している。これらの農場については農協が法人を作り新たに新規就農者を入植させている。新規就農者8戸を選び聞き取り調査を行った。うち6戸が農場リース事業への入植、2戸が農協法人農場への入植である。経営規模は経産牛頭数は40〜60頭、経営耕地面積は40〜70haである。入植年次は平成5、6、7、8、9年がそれぞれ1戸、10年が3戸であった。すべてが実習の経験を持ち、うち2戸がヘルパーの経験を有していた。農場リース制度の評価として(1)リース期間が短い、(2)入植時が秋になりその年もリース料を支払わなければならない、(3)農場リース制度を引き継いだ場合、残りの年数で農場を買い取らなければならない、(4)単身の入植が認められていない、(5)機械の購入がすべて新品でリース料が高額になる、等の間題点が指摘された。 杵築市のリース農場制度はハウスミカン、花卉、イチゴの作物であり、16名の入植者がある。5〜6名で団地毎の法人化が行われている。リース料は1、2年目27万円、3年目以降57万円である。リース期間は20年であるが期間の延長もできるなど柔軟なリース制度となっている。 滋賀県では離農農家の施設を「畜舎リース方式」で新規就農者の誘致を行っているが、財政的支援が少ない等、新規就農者の積極的な動きにはなっていない。
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