研究課題/領域番号 |
11660229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
樋口 貞三 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50003752)
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研究分担者 |
下渡 敏治 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00120478)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 平成5年大冷害 / コメパニック / 稲作農家のコメ購入行動 / 農家のコメ無償譲渡行動 / 稲作農家のコメ備蓄 / コメ緊急輸入 / コメパニック年表 / 日本型フードシステム / 災害の記録化 / retrieve sistem |
研究概要 |
1.平成5年「米騒動」の発生にともなうパニック過程を、米穀小売店データの解析によって、平成5年9月〜11月の前期過程と、平成6年2月〜4月の後期過程の二つのステイジに明瞭に識別することができた。 2、両ステイジの発生要因において、差異のあることが明らかになった。すなわち、前期は「生産者型」パニックであり、コメ生産者の生産量減による自家飯米等の確保のため、慣れない米穀小売店への「市場乱入」に関連したいわゆる「獲得パニック」であり、また、後期は、消費者型の獲得パニックであった。しかし、これは必ずしも生産地と消費地との分離を意味するものではなく、生産地における消費者パニックをも意味するものであった。 3.コメ生産農家によるコメ獲得パニックは、自家飯米確保のみならず、無償譲渡米確保という要因のあることを統計的分析によって確認することができた。 4.コメ農家のコメストックとパニック性向の関連を、大規模アンケートデータによって分析し、農家のコメ備蓄形態を明らかにしながら、その形態と飯米不足との間に明瞭な関連のあることを明らかにした。とりわけ、青森県十和田市においては、旧村と関拓村という集落構造の差異にもとづく、コメの備蓄性向が影響していた。 5.コメパニックと情報の関連について分析し、情報のタイミングによるパニック伝播への影響を明らにした。 6.パニック伝播過程を、5種類の新聞による新聞記事によってミクロ的に明らかにした。また、このための資料としてパニック年表を作成した。 7.コメ不足に伴うコメ緊急輸入に関する検証をおこなった。これは政府による緊急避難的措置ではあったが、結果的には生産者と消費者、地方自治体、民間企業、コメ輸出国をも含んだ、日本のフードシステムの災害適応力のひとつの発現であった。いくつかの留保が必要ではあるが、コメ緊急輸入は我が国のコメ不足の解消のために大きな成果を上げたことは評価されるべきことである。
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