研究課題/領域番号 |
11660234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
木村 務 西九州大学, 家政学部, 教授 (20140931)
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研究分担者 |
戸島 信一 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (30172159)
福田 晋 宮崎大学, 農学部, 助教授 (40183925)
岩元 泉 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10193773)
堀田 和彦 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00192740)
荒井 聡 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90212589)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 農地用益(貸借)市場 / 原始的農地市場 / 地縁的農地市場 / 機能的農地市場 / 農地管理システム / 情報 / 取引費用 / 信頼関係 |
研究概要 |
本研究は、農地用益(貸借)市場について、農地取引における情報、信頼関係、取引費用に注目し、人的関係で取引され格別の法的形式をとらない「原始的市場」、地縁的関係で取引され地域内で完結する「地縁的市場」、公的機関や諸組織を通した組織的取引が行われる「機能的市場」という3つの類型に分類し、信頼できる組織化された「機能的市場」が形成されることにより、農地用役市場への取引参加者が増加し取引の方向も望ましくなることを理論的・実証的に明らかにしたものである。 まず農地用益市場における情報の不完全性や信頼性という特質にもとづき、市場を上記の3類型に分類した。次に九州地域おける農地賃貸借率は県別・地目別に大きな差が見られ、その差は経済条件や組織的な取り組みに依存していることを明らかにした。また沖縄においては農地所有への執着が極めて強く地域的な農地管理が必要になっている実態も明らかにした。そして、農地貸借の進展は調整組織の有無と関係があることを計量的な分析によって明らかし、市場分類の有効性の裏付けを試みた。 次に市場類型別の分析を行い、原始的市場については、農地供給者の貸付相手選択要因分析により人的な信頼関係や社会的要素が重要な要因になっていることを明らかにするとともに、九州北部地域の水田地帯を対象とした事例によって原始的市場の矛盾を検討し、その矛盾の解決策として地縁的市場が形成される必然性があることを明らした。地縁的市場の事例としては大分県新庄地区を取り上げて地域的な農地利用調整の意義を明らかにした。最後に機能的市場の事例として福岡県深江地区の農地管理システムを取り上げ、合理的な農地管理システム構築の方向を示した。
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