本年度は、室内実験を中心に行った。 実験で土壌水分、塩分濃度の測定を行った。塩化ビニール製カラムに土を充填し、水分・塩分の移動をリアルタイムで測定を行った。 飽和清水浸透実験 塩化ビニール製の実験装置に土を充填し、水を湛水の境界条件で表層に与え、水分がどのように移動してゆくかを測定した。測定にはリアルタイムの非破壊測定が可能なようにADR土壌水分計を用い、コンピュータにリアルタイムでデータを送信した。 今回の実験では、土を均一に詰めた攪乱状態であったため、水分移動は比較的均一的であったが、水平方向・鉛直方向でのisotoropicな流れの傾向が見られた。 また、境界条件上、重要である上方移動の要素としての蒸発は、実験装置全体の重量を適当な時間間隔で測定した。実験装置では下方からの領域外への浸透はないので、減少をもって蒸発とした。今年度の実験は予算執行上の問題もあり、秋以降になったため、蒸発の大きな影響はなかった。 また、塩分測定については、4極センサーでADRセンサーと同様にリアルタイムの測定を開始している。一方で、蒸発が卓越する場合の滞留に対応する高濃度(数%以上)での測定の出力の線形性・安定性に問題があった。来年度には非線形回帰を用いたキャリブレーションを試みるべきである。
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