研究概要 |
全国の地方自治体を対象に雨水利用・浸透施設に対する個人・事業所(公共団体を除く)を対象とする助成制度に関する現状調査を実施した.効率的に調査するために,まず,電子調査法システムを導入した.これは,WWWサーバー上のForm形式によるアンケートページを提示したWebページにアクセスし,回答結果を送信することを依頼するものである.送信された回答結果は,サーバー上の CGI スクリプトでリアルタイムに集計され,結果が表示される.また,得られたデータの加工もきわめて容易である.電子メールで約1100の地方自治体にアンケートの回答を依頼し,約430の回答を得た.その結果,約9%の自治体で雨水利用施設に対する助成制度が実施されている.助成制度を実施している自治体中,その対象としているのは,雨水貯留槽,地下浸透施設,浄化槽の雨水貯留槽への転用が,それぞれ,約26%,47,56%であり,今後,助成制度を予定または検討している自治体がそれぞれ,約1%,3%である.複数の施設に対する制度を実施している自治体もある.また,同時に送られてきたコメントによれば,制度の実施については,未定ではあるものの,これらについての情報の提供を求める自治体数も多く,資源の有効利用・環境改善の観点から雨水利用・浸透施設に対する関心が高いことも判明した. 郵送によるアンケート結果から,各施設に対する助成額は必要とした経費の1/2〜2/3程度助成している自治体が大部分であり,助成限度額は各自治体によって異なっているものの,傾向としては,貯留槽,浄化槽の転用,浸透施設の順に額が高くなっていることが判明した. 来年度は,助成制度を利用した受益者側から事例調査を実施し,施設を設置して得られた効果・満足度および助成制度に対する意見を取り纏める予定である.
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