1.国土地理院発行の五万分の一地形図について、全国の昭和60年代の版と新版を比較し、消滅集落を抽出した。それにより昭和60年以降現在までの消滅集落分布地図を作成した。それによると、この期間で消滅したと考えられる集落は167件を数える。その内訳としてダム等の建設により消滅した集落は25件、それ以外の理由により消滅した集落は142件となった。 2.この期間の消滅集落発生頻度の増減をみると、戦後〜昭和59年ころとくらべ、1年あたりの消滅集落数が24集落となり、単位期間あたりの発生頻度が約1/3に減少していると考えられる。 3.消滅集落の分布態様をみると、「ダム等による」消滅については、北陸地域に集中して発生している傾向がみられる。いっぽう「その他の理由による」消滅については全国的に均一分散している。 4.地形図から読み取れる集落の標高の平均は294mとなり、期間1・期間2とくらべ、低い傾向がみられる。また消滅集落から役場までの距離の平均は14kmとなる。こんご詳細に検討する予定である。 5.既存の調査資料にもとづき、消滅理由/消滅時期/地域別にケーススタディの対象を選定し、集落元住民や地方自治体にヒアリング調査・資料収集をおこなった。約20の事例調査・関連文献の収集をおこない、継続中である。
|