1.水処理装置の作動制御 水処理装置には内部のセラミックスの目詰まり防止のため、エアポンプと水中ポンプを設置し、これらは養液タンク内で常時作動させるようにした。 2.シーケンス制御法間欠給液方式の検討 簡易な制御法として、タイムスイッチ、リレー回路、タイマで構成し、タイムスイッチがオンで水耕液循環用ポンプを作動させた。タイマの設定は、栽培ベッド長11m、高低差1/80の実地栽培ベッド上の養液がタンク内にフィードバックされる時間を考慮して決定した。外部からの水供給は、遅延回路によりタイマが一定時間経過後にタイムアップし、水供給用電磁バルブを作動させた。養液タンク内にはフロートレススイッチ(レベルスイッチ)を取り付け、一定の水位に達すると水供給用電磁バルブは閉じるシステムとした。 3.野菜葉色の色情報 品質指標として葉の緑色濃度全体の情報を把握するため、収穫直後の葉をイメージスキャナを用い、TWAINインターフェイスを介してパソコンに取り込み、葉画像上のピクセルカラー値をGREENのヒストグラムで表示した。これを葉緑素計と対応させたところ、両者の数値は良好な相関関係であることを確認した。 4.NFT栽培における支援水処理システム 試作システムを用いたNFT周年栽培によるコマツナの比較検討を行った。その結果、水処理装置を組み入れた連続給液方式は溶出イオンのばらつきが軽減され、生育・収量とも処理区>対照区であった。さらに、F検定による分散分析の結果、葉色濃度は間欠給液区>連続給液区であった。以上のことから、NFT周年栽培においては連続給液方式を基本とするが、間欠給液方式の採用による適切な水分ストレスを与えることで良品質かつ安定した生産が可能となることが示唆された。
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