研究概要 |
供試品種は西海203号,密陽30号,IR24号,レイホウ及びホシユタカを用い,1999年5月12日に播種,6月2日に移植した.栽植密度は30cm×15cmとした.施肥は化成肥料(N:P:K=16:16:16)を40kg/10a,追肥を7月24日に20kg/10a施した.移植後42日目(T3区),56日目(T2区),72日目(T1区)にそれぞれ刈取調査を行い,対照区として無刈取区を設定した. 西海203号における生長解析 1.地上部の乾物重は全生育期間を通じてC区が量も大きかったが青刈り区では刈取時期が早いほど刈取後の乾物重が大きくなった. 2.LAIにも同様の傾向が認められ,対照区は各処理区と比較してかなり高く推移したが,青刈り時期が早いほど刈取後のLAIの回復程度は大きく,登熟期間の後半には対照区とT3区はほぼ同じ値を示した. 3.CGRはc区とT3区,T2区とT1区が似た傾向を示し,C区とT3区では登熟中期に著しく減少したが,T1区とT2区にはこのような傾向は認められなかった.NARについても同様にC区とT3区,T2区とT1区が類似した経過を示したが,刈取後のCGRの回復は青刈り時期が早いほど高いのに対し,NARは低かった. 乾物収量と青刈り時期の関係 1.いずれの品種においても,青刈り時期が遅くなる程青刈り収量は増加し,逆に再生稲収量は減少したが,総乾物収量はC区で最大となり,青刈り時期が遅いほど低下する傾向が認められた. 2.最大乾物収量はホシユタカの対照(C)区で,他の青刈り区に対して明らかに差があったが,西海203号,レイホウおおびIR24号では,C区とT3区はほぼ同じであった. 3.上記の結果から青刈り時期が遅い場合,刈取後の再生葉のNARは高まるが,出葉が停滞し,LAIの回復が著しく遅れることによりCGRが低下し,総乾物収量が低くなったものと推察される.
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