研究概要 |
実験1:飼料稲の多回刈り利用を目的として実験を行った.供試品種として西海203号,Tetep(倒伏したためデータなし),レイホウ,密陽30,IR24,ホシユタカおよび再生に優れると思われる浮稲品種群ライダ3品種を用いた.6月下旬に移植後,7月上旬(T1),7月下旬(T2),8月上旬(T3)に青刈りを行い,それぞれ青刈り収量および再生収量を測定した.その結果,青刈り時期が遅れるほど刈り取り後の回復が遅れ再生時の収量はT1>T2>T3となった.各品種の2回刈の合計収量は対照区の1回刈収量に及ばなかった.7月下旬から8月上旬が供試した稲の最高分げつ期であり,最高分げつ期後に青刈りを行った場合は急激に再生収量が低下することが示唆された. 実験2:飼料稲では,一般的に高品質なサイレージを調製することが困難とされているが,日本ではほとんど結実しない浮稲は栄養生長期が長いため良質なサイレージ発酵特性が期待される.本実験ではHABIGANJ AMON2,HABIGANJ A8,T442-57,RD19,LAL DIGA,LALDIGHA,BARADIGHAおよび実験1のライダ3品種を用いてサイレージの調製を行った.同時に日印交雑種12品種を用いてサイレージを調製し比較した.8/1の青刈り時には浮稲のサイレージのpHは4.88〜5.50,日印交雑種はpH4.96〜5.55を示した.再生時は10/2刈り取りの日印交雑種でpH4.62〜5.02,11/10刈り取りの浮稲でpH4.29〜5.25の値を示した.pHが低く特に良好な発酵状態を示したBARADIGHAを始め,浮稲および日印交雑種の数品種がサイレージの原料として適当であることが示唆された.
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