研究課題/領域番号 |
11660287
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
半澤 惠 東京農業大学, 農学部, 助教授 (00181032)
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研究分担者 |
吉田 豊 東京農業大学, 農学部, 講師 (20002933)
渡邉 誠喜 東京農業大学, 農学部, 教授 (20078108)
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キーワード | ウマ / 脾臓貯蔵赤血球 / 浸透圧脆弱性 / 細胞容積 / 運動 / KCl共輸送体 / 血液pH値 |
研究概要 |
実験1. ウマ脾臓貯蔵赤血球がその浸透圧脆弱性に及ぼす影響 ウマにおける脾臓貯蔵赤血球が運動負荷時の末梢血中赤血球の浸透圧脆弱性に及ぼす影響を明確にする為、各種強度のトレッドミル運動、ならびに脾臓摘出および薬剤による脾臓収縮抑制処理がトレッドミル運動負荷時の赤血球膜浸透圧脆弱性に及ぼす影響を解析した。その結果、運動負荷時に脾臓から放出される赤血球は、末梢血中赤血球の浸透圧脆弱性の変動にほとんど関与しないことを明確にした。 実験2. ウマ血中乳酸および二酸化炭素の濃度と赤血球膜浸透圧脆弱性との関係 血中乳酸濃度および酸素摂取量を基準とした各種強度のトレッドミル運動を負荷し、血液中の乳酸、酸素分圧、二酸化炭素分圧、pH値、温度および血管内溶血割合と赤血球の浸透圧脆弱性との関係を解析した。その結果、血液のpH値および温度は赤血球膜浸透圧脆弱性と有意な負の相関関係を示し、特に血液pH値と赤血球膜浸透圧脆弱性との間にはr=-0.9以上の極めて高い負の相関関係が存在することを明確にした。 実験3. ウマ赤血球の容積調節機構と赤血球膜浸透圧脆弱性との関係 ウマ赤血球におけるK^+による細胞容積調節機能の特性を調査する為、K^+輸送活性と培地の無機イオン組成、浸透圧、pHならびに赤血球の密度との関係を解析した。その結果ウマ赤血球にはKCl共輸送体による細胞容積減少機構が存在すること、ならびに本輸送体は浸透圧およびpH値の低下により活性化されることを明確にした。したがって、KCl共輸送体は運動負荷時の血液pH値の低下に伴う赤血球膜浸透圧脆弱性の亢進に拮抗して、血管内溶血を抑制する可能性が示唆された。
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