Th2サブタイプ免疫エフェクター機構の抑制が強く示唆されるモデル系において、実際Th2関連の免疫反応がこのモデル系で抑制されているかを確認した。好酸球増多反応、IgE産生反応など特異的にTh2反応を活性化する、抗原刺激によってもこのモデル系ではそれらの反応が抑制されていた。次に宿主の免疫反応の研究が最も進んでいる消化管内寄生蠕虫であるNippostrongylus brasiriensis (NB)を用いて、同モデルでの感染実験を行った。その結果、同モデルでは正常な対照NB感染群に比べて。腸杯細胞が減少しており、並行して排虫数も減少していた。次に杯細胞に含まれるムチンの性状について検討した。 感染によって、シアル、フコース酸関連ムチンが増加することが明らかとなった。Th2サイトカイン産生細胞であるCD4^+陽性細胞を減少させ、IL-13を投与し、寄生虫の排除と産生されるムチンの種類について検討を行った。CD4^+陽性細胞を減少させると、寄生虫の排除は認められなかった。その時にシアル酸関連ムチンの量は減少したが、フコース関連ムチンの量には減少は認められなかった。またIL-13投与によって、寄生虫の排除が起こり、その時にはシアル酸関連ムチンの量は増加した。また寄生虫を排除出来ないStat-6欠損マウスを用いた実験より、IL-13のStat-6を経由したものであった。 以上のことから、マウスにおいては、腸杯細胞がエフェクター細胞であり、この細胞が賛成するシアル酸関連ムチンが寄生虫排除に重要であること、またこの増加は、Stat-6を経由した、IL-13の働きが重要であることが明らかとなった。
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