研究課題/領域番号 |
11660305
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
五十君 静信 国立感染症研究所, 食品衛生微生物部, 主任研究官 (70212743)
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研究分担者 |
天野 富美夫 国立感染症研究所, 細胞化学部, 主任研究官 (90142132)
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キーワード | サルモネラ / Salmonella Enteritidis / 接着因子 / 腸管上皮細胞 / T-84細胞 / Flagellin / IL-8 / 対数増殖期 |
研究概要 |
Salmonella Enteritidis;SEの対数増殖期と静止期のホルマリン処理菌体をウサギに免疫して得られた抗血清Log-serumとStat-serumを用いて、分化させたヒト由来腸管継代細胞T-84細胞に対するSE#40株の接着阻止を調べた。両抗血清は、対数増殖期のSE#40株の腸管細胞への接着を抑制した。その抑制効果は、Log-serum<Stat-serumであった。SE#40株から抽出したタンパクのWestern blottingでは、それぞれ複数のバンドが認められたが、両抗血清とも86kDa付近のP86タンパクを認識しており、このタンパクがSEの接着に関与するものと思われた。SEの腸管への接着にはFlagellaが関与することが知られており、このP86がその構成タンパクであるFlagellinであるかどうかについては、(1)タンパクのサイズがFlagellinと一致しない(2)Flagellinは、主に静止期に発現するタンパクであるが、P86は、Stat-serumよりもLog-serumに強く反応していた、という2点から、Flagellinとは異なると思われた。そこでN末のアミノ酸の配列を調べたところ、AQVINで、サルモネラのFlagellinと一致した。(1)のサイズの違いは、実験系の違いで納まる程度の違いではあったが、(2)の抗体の認識が逆転している理由は、不明である。両抗血清が認識したP86は、シークエンスからFlagellinであると結論した。そこでSEからFlagellaを分離し、精製したFlagellaをカラムに固定し、Log-serumからFlagella特異的IgGをアフィニティ精製したのち、接着阻止実験を行ったところ、弱い抑制が観察された。しかし、細胞からのIL-8産生には影響を与えなかった。この実験結果と、P84の認識の弱いStat-serumがSEの細胞への接着をより強く抑制したことから、Flagellinとは異なる接着因子の可能性が強く示唆された。そこでStat-serumのみが認識している22kDaのタンパクP22を精製し、このタンパクについてN末の解析とクローニングを試みている。
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