研究課題/領域番号 |
11660307
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
古岡 秀文 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (60238665)
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研究分担者 |
松井 高峯 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40111116)
古林 与志安 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20301971)
小俣 吉孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10132987)
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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キーワード | ウシ / 遺伝 / 筋疾患 / 筋ジストロフィー / 病理 / 横隔膜 |
研究概要 |
様々な疾患で病理学的検索のために剖検された8ケ月齢から15歳齢のホルスタイン牛213頭について横隔膜、肋間筋、心筋を病理組織学的に検索した。このうち49頭に遺伝性横隔膜筋症に特徴的なコア様構造が観察された。49頭の年齢は様々なるものの、系統調査の結果から遺伝性横隔膜筋症の結果に含まれていた。コア様構造は好酸性均質で、筋線維の中央、あるいは散在性にみられるものの、筋線維の大小不同、中央核線維、壊死等の変性性変化は観察されなかった。組織化学的並びに免疫組織化学的にこれらコア様構造はGomori's trichrome変法では濃緑色、NADH-TR染色では陰性、抗アクチン、ユビキチン抗体に陽性を示した。また、電子顕微鏡的には比較的電子密度の高いフィラメント様物質の凝集からなっていた。以上より、これら組織にコア様構造を有する症例は遺伝性横隔膜筋症の保因牛である可能性が示唆され、広く北海道十勝に浸潤していることが明らかとなった。また、コア様構造の形成は病理学的に、遺伝性横隔膜筋症の一時的な変性である可能性が示唆された。 さらに、遺伝性横隔膜筋症の原因蛋白の探索の目的で、発症牛と対照牛の横隔膜筋組織全量に対する抗体をそれぞれ作製し、免疫ブロット法をにて検索を行った。発症牛筋組織に対する抗体での免疫ブロット法では、横隔膜筋症例で約55kD、65kDに特異的に蛋白の増量がみられた。一方、対照牛筋組織に対する抗体では横隔膜筋症例で約85kDに蛋白の欠損がみられた。現在までのところこれら蛋白の同定はできていないが、これら蛋白が横隔膜筋症発症に何らかの関与をしている可能性が考えられた。今後これら蛋白の同定・解析を行う予定である。
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