研究課題/領域番号 |
11660313
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
日笠 喜朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (30165071)
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研究分担者 |
佐藤 耕太 鳥取大学, 農学部, 講師 (50283974)
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キーワード | イヌ / 血小板 / アドレナリン受容体 / イミダゾリン受容体 / グアニンヌクレオチド / イダゾキサン / クロニジン / GTP結合蛋白質 |
研究概要 |
これまでの研究からイヌ血小板におけるα_2-アドレナリン受容体のサブタイプはα_<2A>タイプであることを明らかにした。さらにイヌ血小板には新たにイミダゾリン(I)-受容体が存在することを確認し、そのサブタイプがI_1とI_2であることを示唆したが、その構造や機能については未だ明らかではなかった。そこで本年度では、I-受容体におけるGTP結合蛋白質(G結合蛋白)の関与について検討し、以下の結果を得た。1.I_1受容体に対する置換実験では、Guanine nucleotideのGTP、Guanine nucleotide類似体のGTPγSおよびGpp(NH)pの各添加により高親和性領域に対するNaphazolineの親和性が有意に低下した。2.I_2-受容体における置換実験では、GTP、GTPγSおよびGpp(NH)pのいずれの添加でも非添加に比べNaphazolineの親和性に有意差はなかった。3.I_1-受容体に対する^3H-Clonidineの特異結合率はGTPおよびGpp(NH)pの濃度依存性に低下した。4.I_2-受容体に対する^3H-Idazoxanの特異結合率はGTPおよびGpp(NH)pの各添加により著しい変化はなかった。以上の成績から、I_1-受容体はG結合蛋白と共役している受容体であり、I_2-受容体はG結合蛋白と共役しない受容体であることが示唆された。このことは、イヌ血小板における本受容体が他の動物や組織で認められているI-受容体と同様のものであると考えられた。また、I_1-受容体とI_2-受容体は異なった構造や情報伝達経路を有することが示唆された。
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