研究課題/領域番号 |
11660316
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
石原 智明 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90082172)
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研究分担者 |
萩原 克郎 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (50295896)
辻 正義 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (10150088)
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キーワード | SCIDマウス / Haemoparasite / Babesia microti |
研究概要 |
A基礎的、技術的検討 まずNOD-scid及びC.B-17scidマウスのヒト赤血球生着性を比較検討した。その結果ヒト赤血球の血流中滞留時間は前者が後者のおよそ4倍で、NOD-scidマウスは赤血球置き換えに極めて有利と考えられた。次にC.B-17scidマウスでは感染や常在菌交代症などによって食細胞活性化因子がおこると赤血球置き換えが困難になっていたため、NOD-scidマウスも同様か否かしらべた。好中球活性化にはたらくThyoglycorate medium(TGC)、マクロファージを活性化するCandida guilliermondii死菌および中間のPropionibacterium acnes死菌を用いて、ヒト赤血球の排除速度への影響をしらべた。その結果C.B-17scidマウスではカンジダ菌によって劇的なヒト赤血球の排除亢進がおこったのに対してNOD-scidマウスではほとんど変化がなかった。一方TGC処置は両系統とも影響がなく、P.acnesではいづれの系統もごく僅かな亢進がみられた。これらはNOD-scidマウスが赤血球置き換えに非常に有利な系統であることを示すものである。 Bその応用 1999年5月、我が国で最初のバベシア原虫感染者が神戸で発生した。そこで赤血球置き換えNOD-scidマウスを使って原虫分離を試みた。その結果ヒト由来のバベシア原虫が分離され、遺伝子解析によって齧歯類に存在するBabesia microtiと同定された。また本実験モデルは野生動物などから分離された住血原虫がヒトに感染能を持つか否かを確認できる有用なモデルであることも確かめられた。(マウス体内のヒト赤血球に感染・増殖するか否かを確認できる。これ以外にはin vitroで増殖しない原虫にヒトに感染する潜在的な能力があるか否かを知る方法が無い)
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